古巣のつどい

【化学系】電気化学研究室同窓会「比叡会」 2013年度同窓会 開催報告

 1978年に同志社大学工学部工業化学科(現、理工学部機能分子工学科)電気化学研究室の同窓会である比叡会が設立されました。当時は今出川校地の扶桑館4Fの角に研究室が有り、窓越し真正面に相国寺を通して比叡山が望め、休憩時にはコーヒー片手に優美な景色を楽しみながら皆で日々の研究の議論を行っていました。

電気化学反応は電極表面で生じるため、それは面における2次元反応で生成物濃度の増加には時間が掛かります。速度論的研究は電気化学的測定だけではなく生成物濃度のtime courseを追跡せねばならずほぼ全員が徹夜実験と言う事もしばしば有りました。

卒論、修論を仕上げる10月以降はこの傾向が強まり、この時間共有の中から、どうしても同窓会を作りたいと言う意見が出て、あっという間に全員の共通意見と成り、たまたま博士課程で年かさの私が同窓会の責任者に祭り上げてしまわれました。会の命名も「比叡会」に決まりました。

 第1回比叡会は、紅葉に燃える高尾の旅館にて1泊2日で行われました。卒業生ほぼ全員の参加で懇親の実は多いに上がりましたが、すこし騒ぎ過ぎ、旅館の女将から優しくクレームを戴いたのを懐かしく思い出します。

 本会は、早、36年の歴史を持つに至り、その間に指導教授は山下正通先生、田坂明政先生から稲葉稔先生と3代に亘っています。世帯交代のたびに無くなって行く同窓会が多いのですが、当会は先生方の特別の配慮を戴いており上手く継続されていることに感謝致しております。会員数も500名を超え、毎年秋、京都で開催されており、昨年は同志社Home Coming Day前日の11月9日(土)に49名の参加者を得て盛大に開催されました。

 その内容を簡単に説明致します。第1部は田辺校地(知真館2号館)において講演会を開催致しました。川辺 勝治氏(1980年卒)による「“やる気“を育てる学校教育の在り方」、松木平 伸一氏(1982年卒)による「PEARL SEMINAR 日本が誇れる宝石「真珠」の話」そして明本 斉氏(M2)による「現在の研究テーマ全容」の話が有りました。OBからの話は、各人の仕事において苦労した内容を含む体験談で、その迫力に現役学生も多いに感じるところが有ったものと推察されます。現役院生による研究の全容説明に、OBは電気化学の発展を体感したものと確信します。活発な質疑応答の中、卒業生より現役生への激励の言葉で会場は盛り上がりました。

 第2部は現役院生の案内による電気化学研究室(至心館3F)見学会でした。実験装置の充実ぶりもさることながら目を輝かせて懸命に説明する院生を見て、先生と現役の研究に対する決意の深さを垣間見ることが出来、OBとして誇らしい気持ちに成りました。

 第3部は夕刻から市内富小路錦小路下ルの「ト一」において開催された懇親会です。稲葉先生、田坂先生も参加され、恒例の近況を含む全員自己紹介で笑いが絶えず、和やかな内にもお互いの情報交換をした、大変有益で楽しい時間を過ごせました。今後も本会は確りと活動を続けますので、比叡会会員の皆様、宜しくお願い申し上げます。

比叡会会長  東城 哲朗(1976年工化卒) 記

 

ト一(といち)にて